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華燭の典に招かれて ~フォアグラにテルミンにスピーチ、そしてヒゲのママ~

マーサちゃん&ハイブリッジさん、結婚おめでとう! 昨日は本当に、良いお式でした。マーサちゃんの清楚可憐な花嫁姿、ハイブリッジさんの白い燕尾服姿のハンサムだったこと! お料理も雰囲気も、すべて楽しませてもらいましたよ!”

そう、オットー&ケイトリンは、結婚式にお呼ばれしたのである。スピーチの大役を引き受けたケイトリンに、ノホホンと付き添い役のオットー…ふたりにあらゆる温度差があったコトは、言うまでもない。

「大事な日なんだから、早く起きて~」、「ヒゲ、整えるんでしょ! 間に合わないよ」、「起きなさいよ! なんでアタシがこんなに忙しい日に負担をかけるの?!」、「イイ加減にしないと、ブッ殺すッ!」…脅迫すること数回、何とかベッドから起き出したオットーだが、出発直前に「ベルトがない」と言い出した。

「ズボン、下がっちゃうワケ?」、「いいや。ピッタリ」、「じゃあ、いいじゃないの」、「上着を脱いだときヘンだよ」。“もっと早く言ってくれればいいのに”…探し出して渡すと、今度は違う問題が発生する。「このベルト、すごく短くなったよ」、「それはアタシのせいじゃない」。ノン・ベルトで式場に向かうコトになったオットーである。

荘厳なチャペルで賛美歌を歌うときが、いちばん涙もろくなる。“マーサちゃんの晴れの日なんだな”…白いブーケ姿がぼんやりと涙でにじみ、ハンカチで目頭を押さえていると、“バリバリバリッ”…紙袋の音が聞こえてくる。

「着席して下さい」という牧師さんの声と共に、またバリバリと耳障りな音がこだまする。「なんでいちいち紙袋をいじるのっ!」。小声で怒られる犯人はオットー…なぜか折り畳み傘が入っている持参の紙袋を、大事に椅子に上げ下げしていたのである。

緑あふれる庭園をバックに花嫁と花婿が座り、披露宴がスタートする。ケイトリンのスピーチはお色直しの後なので、まだまだ余裕がある。「せっかくのお料理だし、ちゃんと飲もーっと」…シャンパンに舌鼓を打っていると、隣でオットーの感嘆が聞こえる。「ああーっ。フォアグラ、うめえ!」。

腹囲100センチの皮下にあるのも、脂肪たっぷりの肝臓、フォアグラである。よく、「肝臓が悪い人は、レバーを食べろ」と言うけれども、フォアグラなオットーがフォアグラを食べるのはイイんだろうか…そんな思いが頭をグルグルし出すくらい、いい按配に酔いが回ってきた。

ケイトリンの前は、マーサちゃんの恩師が奏でる“テルミン”の演奏である。テルミンというのは世界最古の電子楽器で、ちょっと前までは幻の楽器と呼ばれていたものだ。電磁波を2つのアンテナから飛ばし、その間に指先を浮かせることによって、音やビブラートを作り出している。

演奏しているところを見ても、空中に腕をかざしているようにしか見えず、魔法使いのよう…。前にテレビで観て、その音色と演奏方法の珍しさに惹かれていたので、とっても感激してしまった。

柔らかいような鋭いような不思議な電子音にいざなわれて、ケイトリンの心臓は早鐘のように鳴り響く。いよいよ出番である。“ご馳走でふくらんだお腹をひっこめて、二重アゴのお肉を隠すように顔は引き気味で…”とか、考えていたけれど、すっかり忘れてしまった

マーサちゃんとのベトナム時代の思い出や、日本語教師として、素晴らしい素質がある人だというコト、ハイブリッジさんとの初対面のときのコト(素敵なビジネスマン、と言おうとして噛んでしまった!)、ラブラブなふたりのエピソードなどをお話しした。

ちらっとオットーを見ると、こっちを見守ってくれているハズが、うつむいて足を投げ出していた。(何ゆえ?!)。5分ほど話して無事に終了、拍手を送られて、“何とかうまく出来たかな”という感じだった。

ホッとしたせいか、デザートビュッフェで食欲モリモリ、4種類もチョイスして席に戻ろうとしたとき、マーサちゃんの姪っ子の“ケイトリンちゃん”にぶつかってしまった。偶然同じ名前の女の子に痛い思いをさせてしまって、切なかった。

「ゴメンね、ゴメンね、ケイトリンちゃん」…みるみる涙の小粒が大きくなる。「本当に、ゴメンね。痛かったね」、「ママ。ママ!ママ!」。小さな指が示す先をみると、そこにオットーが立っていた

「ママ? あれえ…ケイトリンちゃん、これはヒゲのオジちゃんで、ママじゃないよ」、「ママ!ママ!」、「ハ~イ!ママだよお~」…酔っ払いオットー、完全に調子に乗っている。(ちなみに本当のママは大変な美女だ)。

「すいません。おじいちゃんがヒゲの人なんで、間違えちゃったんでしょう」。ケイトリンちゃんのパパがあわてて謝るが、おじいちゃんもママじゃないんで、ちょっとヘンな弁解である。

ケイトリンちゃんは、オールド・ケイトリンとおなじく、オットーの“どこか”に惹かれたのだろうか。“まだまだ、決めるのは早い。方向修正できるからね”…心でつぶやき、“ママ”を席に帰したのである。

大満足のお式の後、バスに乗り込んだオットーは開口一番、こう言った。「あ~、オレもスピーチしたい!」。友達のコトを楽しそうにしゃべっていたケイトリンが、うらやましかったそうだ。オットーには親しい友達が3人いるが、当分結婚しそうにない。勝手にシミュレーションし出したオットーに呆れ果てるばかりである。

「まず、マウンテン・インさんのときはねえ…。酔っ払って早朝の海に行って、熟睡して日焼けで大やけどして、血のオシッコが出たコトを話す」、「一ミリも笑えないよ、むしろバカだなって思われるよ」。

「それから、タローだろ。アイツの場合は一つしかねえ。『タローくんの家に遊びに行ったら、モツ煮を作ってくれまして、ただ焦がしちゃいまして、ベトナムの戦場みたいな臭いがしました』」、「ほめてない。むしろけなしてるじゃない」、「料理が上手だって言いたいんだよ。それに、イインダヨ。男友達なんて、こんなモンだって」

…“オレの式じゃないから、お腹いっぱいしゃべってやる”という負のエネルギーが満ち満ちている。こんなオットーの友達だからこそ、結婚が見えないんだろうし、結婚式はしないほうがイイんじゃないかと思うのである。

いやいや、考えてみれば、“こんなオットー”と結婚したケイトリンも、“こんなケイトリン”なのかもしれない。ファラウェイ・マウンテン夫妻を招待してくださる方は、よくよく考えてもらったほうがイイのである。とにもかくにも、マーサちゃん、ハイブリッジさん、末永くお幸せにね!

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