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熱意を伝える文字のチカラ

お医者さんはおおむね、字がヘタクソだ。自分さえ読めればよいから、美しい文字を綴ろうなんて思っていないんだろう。ケイトリンがお世話になっているドクターHも、そうだ。ソフトな物腰に優しい語り口、手指の先まで穏やかさが行き届いているようなドクターだが、メモ書きをもらって驚いた。

流して書いているが、一文字一文字はカキンコキンとした硬さもあり…まさに“金釘流”の見本のような文字だ。棒でつつかれてノタくるミミズといい勝負で、たった5、6行の箇条書きが、ひと目ではまったく判読できなかった。“診察が終わるまでに、分からないトコロを聞いとかなくちゃ!”…メモ書きに目が釘付けになり、でも結局「読めません」の一言が言えずに帰って来たのである。

「ねえ、オットー。このドクターのメモ、スゴイでしょ?」、「んー確かに。悪筆だね」。「全然、読めないでしょ?」、「そう?スラスラスラリ…」…さすがオットー、編集者である。なぐり書きの赤ペンが入った原稿でサバイバルしてるだけあって、見事な解読ぶりである。

オットー自身はというと、字が巧いわけではないが、何かこう…「そんなコト、どうでもイイじゃん」って思わせるような“味のある字”を書く。まずお好みはBや2Bの柔らかい芯で、これはケイトリンも一緒だが、筆圧が違う。人差し指が黄色くなるくらい、ギュッギュッと力を入れて書く。鉛粉が出て手の側面が黒ずむし、2枚目の紙に文が写って読めるくらい力強い。

そして文字を単体でじっくり見ると、ハネとかハライがほとんどない。スッと力が抜けるところがなく、書き始めから終わりまで線の強さがみなぎっている…そう、太古の昔の“象形文字”を思わせる、素朴な味わいなのだ。(オットー、コレは褒めてるんだからね)。

随分前だけど、お互いの取材ノートに“名前の書き合いッコ”をしたことがある。「しばらく使うノートの表紙なんだから、気合入れて書いてね」とオットーにプレッシャーをかけると、苦悩に満ちた面持ちでボールペンを握った。“あ、悪いコトしたな”って思っちゃうくらい、ニガニガしい顔だったなあ…。

「ハイ!できたよッ!」…ペンをほうり投げると、ソッポを向く。“どれどれ”…考えてみるとオットーから手紙をもらったことのないケイトリン、ラブレターをもらったようなドキドキ感があった。「おおっ! スゴイでっかい田んぼの“田”だね~」。

仮にケイトリンの旧姓を“丸田”としよう。その“田”が測ったように直角90度のカタマリだったので、度肝を抜かれたのだった。「オットー、分度器使った?」、「使ってないよ」。そして大人によくある書きグセで、“丸”に比べて“田”が小さめのバランスになるのだが…オットーの場合、“田”のデンとした存在感が“丸”を圧倒しているのである。(コレって書いてみると、すごく新鮮(?)な感じがするので、是非試してみよう!)。

このスペシャルノートは、一時だけど嬉しい心の支えになった。取材で嫌なことがあったとき、オットー作の田んぼの“田”を見ると「フフフフフ」って思わず笑みがこぼれたのだから。昔、筆まめな先輩が言っていた言葉を思い出す。「書かれた文字はいいね。書いた分がその人の熱意になる」…オットーの筆圧が、オットー自身のようにたまらなく懐かしく感じられるのである。

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コメント

>書かれた文字はいいね。書いた分がその人の熱意になる・・・最近メールが普通な今そう思いますね。
でも私は書道習ってたにもかかわらず字はへたっぴです。
ダンナの親にも「だれがかいた?この字」って言われたときは凹みました(笑)

筆圧私も強いので中指はタコできてます。

私もなんかダンナの書く「字」好きで、
最初で最後の?手紙大事に取ってます。

投稿: ひろみ | 2008年7月16日 (水) 03時19分

ひろみさん、どもー!
実はオットーも、書道ニ(?)段らしいです。筆ならきっと、素晴らしい字を書くんだろうな~と期待はしますが、とくに突っ込まないことにしています(笑)。
それにしても、旦那様からのラブレター、うらやましいなー。
一度でも書いてくれたら、一生大切にするのになって思います。
筆まめな人じゃないから期待できそうにないですが…シクシク。

投稿: ケイトリン(管理人) | 2008年7月16日 (水) 21時35分

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