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2008年7月

祝・再会☆オットー&ケイトリンの夏休みが始まった! 

24日のバンコクの空港には、忠犬ハチ公ならぬ、“忠妻”ケイトリンがいた。(ちなみに駐在員の妻も略して“駐妻”というらしい)。“遅い!”…飛行機はとっくに到着しているはずなのに、オットーが出てこない。気づけばミーティング・ポイントのど真ん中で、仁王立ちである。

ひとりならまだいいが、ルーシーも一緒に待ってくれている。夫婦そろってルーシー&ショーン・ペイの愛の巣に居候させてもらうわけだから、あんまり迷惑はかけたくない。時計は夜中11時半を回り、ルーシーの疲労の色も濃くなっている。ケイトリンは思った。“ああっ!オットー、やっぱり起きられなかったのかもしれない…”。

これまでいろんな大事な局面で、オットーは寝過ごしてきた。なんたって、入籍の日に二度寝して待ち合わせに来れなかったくらいの大物っぷりである。飛行機に乗り遅れるくらい、何てことないだろう。しかも、ケイトリンの知る限りもっとも遅い校了で、2、3日まともに寝てないだろうし…冷たい汗がゾワっと湧いた。

こういうときに限って、“オットーらしき人”がよく見つかる。「あっ、やっと来たか!」って目をこらすと、ジーパンの上に腹が乗っかっている香港人だったり、同じくなで肩で巨顔病の台湾人だったりするのである。「ルーシー、オットーは来ないかもしれない」、「あたしは知らないからね」…再会を喜ぶ人々の中、ケイトリンの焦燥感は頂点に…あっ、今度はホントに来た!!

45分遅れである。1週間ぶりである。怒りと懐かしさをないまぜにして駆け寄ると、自分でも思いがけない最初の一言が出た。「あんた、タバコ吸ってたでしょ? 遅すぎる!」、「飛行機が遅れてたんだよ」、「そうなの?!」(間違った到着情報を見ていたのだ)。「あ、でもタバコは吸ってたや」、「やっぱりね!普通待たせてるときは、後で吸うモンなの!」。

出だしで怒ると、ポンポンと連鎖するのが怒りである。「ああっ!なんで、いちばんキレイなシャツを着てくるのよ!」、「えー、だって白でさわやかに、自分にも他人にも涼しいカンジでいきたいジャン?」…オットーは分かってない。アジアの大気汚染は、白いシャツなど簡単にグレーにしてしまうのだ。…旗色が悪いと察したオットー、“絶対に褒められるオレの功績”を並べ立てることにした。

「洗い物、チャンとしたよ。帰れる日はゴミ捨てもチャンとした。新聞もチャンと止めたし…朝帰って、洗濯もしてきた。ケイトリンのメモ書き通りのコトは、チャンとした」、「それはエラいね」。「そうそう、ケイトリンたら『自分の洗濯は終わらせておいた』って言ってたけど、黒いシャツを見つけたから、それも洗っといたよ」、「なにい~!」。

それは、アクロンでオシャレ着洗いするつもりで、洗濯カゴの奥のほうにのけておいたヤツなのだ。気を利かせたオットーには悪いが、ケイトリンは文句を言うしかなかった。いきなりの夫婦喧嘩を一言もなくクールに見守るルーシーと共に、「オットー&ケイトリンinタイランド ~夏休み編~」は幕を開けた。

日常生活から旅の通訳まで、何もかもお世話になりっぱなしだったルーシーへの感謝をこめて、明日から数日、夏休みの思い出を記そうと思う。

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24が待ちきれない! ~ケイトリン、独りでバンコクへ~

サワディカ~(こんにちは)!! ケイトリンは明日、バンコクに旅立つのだ!…オットーを置き去りにして…。携帯電話がつながらないほど遠くに離れるのは、結婚してこれが初めてである。心配、本当に心配が尽きない。

「ケイトリンったら、本当にダーリン思いなのね!」って感心して下さった方…申し訳ない。オットーは家事一切、やったコトがないので、心配なのだ。「すべきコト、できるコト、せざるをえないコト」…相田みつをもビックリのタイトルでメモ書きを残すつもりだが、やるもやらないもオットー次第、叱咤激励の生電話をするわけにもいかないのである。

オットーのひとり暮らしはバンコクで合流するまでの1週間、忙しすぎる雑誌の入稿時期にあたる。それでなくともモノグサなオットーなのに、身の回りのコトを気にできるだろうか。ケイトリン的に正しいと思う“家事のやり方”を実践できるだろうか

「ねえっ。オレさ、洗濯、ちゃんとやるよ」、「素晴らしいっつうか、当たり前」。「今晩帰ったら、やり方教えてよ」、「モチロンよ」。「でさ、ケイトリンのおパンツはどうしたらいいの?」、「…自分で洗ってくから、余計なコト、心配しなくていいのっ!」。

あまりに楽天家のオットーを目の前に、不吉な映像が頭に浮かんだ。バンコクの空港で、感動の再会を果たす男女…「やあ!ケイトリン!」、「ああっ、オットー!どうしちゃったの!」…シワシワのアロハシャツ、生乾きで酸っぱい臭いのジーンズ、靴下の替えがなくて素足でスニーカー…デジャヴにならないことを、祈るばかりである

マーマリン・オットーが言ってたっけ。「ケイトリン、オットーにいろいろやらせなくちゃダメよ。私はパーパ・オットーを“独りじゃ何にもできないオトコ”にしちゃったから、おちおち出かけられなくなってしまったのよ」。確かにそうかもしれないけど、ケイトリンの場合、オットーばかりを責めてはいけないのだ。

今までオットーが何もしなくてよかったのは、ケイトリンが自分でやらないと気が済まなかったから…実はソレがいちばんの理由なのである。自分のやり方を頑なに守りたくて、何でも背負い込むタイプのケイトリンは、オットーがやることを望まなかったのである。

今回は、オットーにもケイトリンにも、試練の時になるだろう。24日はふたりが穏やかに「お疲れ~」って言い合えますように…。はあ~、でもやっぱりきちんとできるか、心配になっちゃうのだ

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熱意を伝える文字のチカラ

お医者さんはおおむね、字がヘタクソだ。自分さえ読めればよいから、美しい文字を綴ろうなんて思っていないんだろう。ケイトリンがお世話になっているドクターHも、そうだ。ソフトな物腰に優しい語り口、手指の先まで穏やかさが行き届いているようなドクターだが、メモ書きをもらって驚いた。

流して書いているが、一文字一文字はカキンコキンとした硬さもあり…まさに“金釘流”の見本のような文字だ。棒でつつかれてノタくるミミズといい勝負で、たった5、6行の箇条書きが、ひと目ではまったく判読できなかった。“診察が終わるまでに、分からないトコロを聞いとかなくちゃ!”…メモ書きに目が釘付けになり、でも結局「読めません」の一言が言えずに帰って来たのである。

「ねえ、オットー。このドクターのメモ、スゴイでしょ?」、「んー確かに。悪筆だね」。「全然、読めないでしょ?」、「そう?スラスラスラリ…」…さすがオットー、編集者である。なぐり書きの赤ペンが入った原稿でサバイバルしてるだけあって、見事な解読ぶりである。

オットー自身はというと、字が巧いわけではないが、何かこう…「そんなコト、どうでもイイじゃん」って思わせるような“味のある字”を書く。まずお好みはBや2Bの柔らかい芯で、これはケイトリンも一緒だが、筆圧が違う。人差し指が黄色くなるくらい、ギュッギュッと力を入れて書く。鉛粉が出て手の側面が黒ずむし、2枚目の紙に文が写って読めるくらい力強い。

そして文字を単体でじっくり見ると、ハネとかハライがほとんどない。スッと力が抜けるところがなく、書き始めから終わりまで線の強さがみなぎっている…そう、太古の昔の“象形文字”を思わせる、素朴な味わいなのだ。(オットー、コレは褒めてるんだからね)。

随分前だけど、お互いの取材ノートに“名前の書き合いッコ”をしたことがある。「しばらく使うノートの表紙なんだから、気合入れて書いてね」とオットーにプレッシャーをかけると、苦悩に満ちた面持ちでボールペンを握った。“あ、悪いコトしたな”って思っちゃうくらい、ニガニガしい顔だったなあ…。

「ハイ!できたよッ!」…ペンをほうり投げると、ソッポを向く。“どれどれ”…考えてみるとオットーから手紙をもらったことのないケイトリン、ラブレターをもらったようなドキドキ感があった。「おおっ! スゴイでっかい田んぼの“田”だね~」。

仮にケイトリンの旧姓を“丸田”としよう。その“田”が測ったように直角90度のカタマリだったので、度肝を抜かれたのだった。「オットー、分度器使った?」、「使ってないよ」。そして大人によくある書きグセで、“丸”に比べて“田”が小さめのバランスになるのだが…オットーの場合、“田”のデンとした存在感が“丸”を圧倒しているのである。(コレって書いてみると、すごく新鮮(?)な感じがするので、是非試してみよう!)。

このスペシャルノートは、一時だけど嬉しい心の支えになった。取材で嫌なことがあったとき、オットー作の田んぼの“田”を見ると「フフフフフ」って思わず笑みがこぼれたのだから。昔、筆まめな先輩が言っていた言葉を思い出す。「書かれた文字はいいね。書いた分がその人の熱意になる」…オットーの筆圧が、オットー自身のようにたまらなく懐かしく感じられるのである。

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オットー&ケイトリン、ついにアウトドアに目覚める!

生まれて初めて、キャンプのお誘いがあった。富士山を3回踏破したゴールドストーン夫妻が、なぜオットー&ケイトリンに白羽の矢を立てたのか…「いいっすネ~!行きましょう!!」と快諾した後に、コトの重大さに気づいたのだった。

「オットー、キャンプしたこと、ある?」、「あるわけないじゃん」。「山登りとか、好き?」、「そりゃあ、好きじゃないよ」…そう、ふたりは根っからの“インドア人間”なのである。人並みにアウトドアに憧れはするが、オットーは「オレはカヌーがやりたい」などと発想が極端である。(近所のスーパーまで行くのも面倒がるオトコが、川までたどり着けるワケがない!)

ケイトリンは“遠くに行きたいワ…”とロマンチックなコトを始終考えるが、「ハイ、冷たいビール。飲んでから考えれば?」と差し出されれば、間違いなく酔っ払いワールドに遠出してしまうのだ。“サヨナラ、山と海!”…お手軽なリフレッシュ方法に甘んじるタイプである。

まあ、こんな性質を危惧しつつも、キャンプの日はやってきた。前日の酒が残って変な汗をダラダラかきながらの出発、焼き野菜担当のケイトリンは玉ネギを切る方向を間違えて串刺しにできず、オットーにあたり散らす有り様だった。(輪切りは繊維に垂直に切らないとね)。

ゴールドストーン夫妻の車で奥多摩の先、山梨県の小菅村に着いたのは夕方だった。雲が水気いっぱいで垂れ込めてる状態だったけど、ナントカもつかな…と思っていた矢先、雷鳴がとどろき、豪雨がやってきた。「アハハ。まあ、風がないだけいいね」…屋根のある炊事場で奥様のラピスさんと話していたら、絶妙なタイミングで突風

並べた紙皿やコップが吹き飛ばされ、地面にグッシャリとなった。初めてのアウトドアでそれでなくともおぼつかない手つきのケイトリン、気持ちもちょびっと折れそうになったのである。でも…ふとテントのほうを見ると、オットーが一生懸命働いているではないか! 

山なのにお獅子柄のアロハ着用のオットー、上から下までビッショリでテントを地面に固定している。金槌片手に設営をしているその姿は、まさに“アウトドアMAN”であった。やったね★オットー! 出かける前は、「オレはインドア代表として、ディレクターズチェアに座って、みんなの働きぶりを観察する」…なんて言ってたので、ワイフとしてホッとしたワケでもある。

みんなそれぞれ働いて、最初のビールが美味しかったこと! ゴールドストーン夫妻おススメの肉屋さんで準備したレバ刺しや味付け肉、ホルモンも最高だったし、“ああっ! お外で食べるのって、こんなに楽しかったんだ!”って心から思ったのである。肉の香ばしい匂いを堪能しつつも、ふと2、3歩踏み出すと深山から湧き出す霧が木々の清々しい香りを運んできてくれて、ほろ酔いの体には何とも心地よいのだ。

テントで4人でゴロ寝するのも、修学旅行みたいで楽しかった。ラピスさんが用意してくれた毛布を独り占めし、体に巻き込んで眠るオットーには腹が立ったが、4人の体温や呼気のせいだろうか、中は居心地良くて温かかった。寝る前によく分からない虫をつかんでしまい、オットーの陣地のほうに投げたが、“ま、いっか”…朝の5時までぐっすりと眠った。

翌日、残った肉や網焼きトーストでお腹をいっぱいにし、お昼頃キャンプ場を出ることになった。ゴールドストーン夫妻がテキパキと片づけをこなすなか、アウトドアに慣れない怠惰な肉体をもつケイトリンはうたた寝をさせてもらった。森林浴しながらの居眠りもなかなか気持ちが良い…と、テントの解体をするゴールドストーンさんがやってきた。

「ケイトリンさん、昨日の晩、虫を投げたって言いましたよね?」、「そうそう。オットーのほうに」。「テントの中にこんなに(手の平以上の長さ!)でっかいムカデがいました。それじゃないのかな?」、「イ、イヤ~ン!」…そういえば、何となくカサカサっとした長い感じ、丸い物体じゃなかったもんなあ…。

“はっ! っつうコトは、オットーの首にある赤い大きなポッチは、ムカデ先生の歩いた跡なのでは!?”…「キスマークみたいな虫刺されだね」ってみんなでからかっていたが、ケイトリンが投げたムカデ先生がよじ登った可能性が高くなってきた。ちょっとやそっとじゃ起きないオットーなら、充分ありえるコトである。

まあ、こんな大自然のイタズラは許してやろう…。今回のキャンプの楽しさはそんなモノでは帳消しにできない。こんな思わぬきっかけを作って下さったゴールドストーン夫妻に、心から感謝…ケイトリンはすっかりアウトドアに目覚め、昨日から各地のキャンプ場を調査中である。

働くオットーもカッコよかったし、新しいファラウェイ・マウンテン家の伝説(?)がスタートしそうな予感…オットーが厚切りステーキを切るトコなんて、“ん~、ジューシー♪セクシー♪”である。

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