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冬の妖怪 ~ラムネ編~

冬の夜更け、ケイトリンの“至福”は、コタツから始まる。温度調節ツマミを最弱にして、コタツ布団に首までくるまる。「気持ちんヨカ~」…全身にゆるゆると幸福が満ちてきて、脳みそが「おやすみよー」のサインを出す。机の上には出がらしのぬるいお茶、テレビではミステリーチャンネルの「シャーロックホームズの冒険」が流れている。音は小さくしているが、吹き替えの露口茂の渋い声が心地よい。“19世紀末のロンドンの喧騒なんて他人事さ。ホントに我が家は静かだな”…幸せは些末(さまつ)なほど、安心感があるもんだ。ケイトリンは、するすると眠りに落ちていく…。

と、どれくらい時が経ったのだろうか。「ザラザラッ!」という激しい音がした。眠いから目は開けなかった。「ザラザラッ!」、また音がした。夢うつつからグッと引き戻されて目を開けると、オットーがラムネを食っていたのだった。コンビニでも駄菓子屋でも売ってるやつ、ラムネビンそっくりの青の半透明のプラスチックに入ったアレね。酔っぱらった帰り道、ノリで買ったのを、オットーは毎日大切に食べてたんだった。残り少なくなっていたから、思わぬ激しい音に聞こえたんだよね。

そうそう。妖怪・小豆とぎは、冬の夜更けに小豆をとぐんだそうだ。冷たい川べりでザラザラッと…。我が家では三十男が、冬の夜更けにラムネを食うのである。ザラザラッと音を立てながら…。そういえば、オットー、小豆とぎにちょっと似てる…?…。

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